産業廃棄物の排出事業者は、事業を行っている自治体(都道府県、政令指定都市など)にもよりますが「産業廃棄物税」という税金を支払わなければなりません。しかし、一口に産業廃棄物税と言っても様々な種類があります。課税対象や納付方式なども複数の種類があり、事業者はそれに応じて正しく対応することが求められます。この記事では、産業廃棄物税の概要と課税方式等について、詳しく解説します。
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産廃税の基礎的な概要を知っていても、詳しい仕組みや納税した税金の行方まではわからないという方も多いでしょう。ここでは、産廃税の概要について詳しく解説します。
産廃税とは
産廃税とは、排出事業者・中間処理業者に課される法定外目的税です。課税方式は自治体で差がありますが、最終処分量1トンあたり1,000円が一般的な課税金額です。
産廃税の課税対象
- 産業廃棄物排出量
- 産業廃棄物処分量
都道府県によって名称が違う場合もあり、例として北海道の場合は「循環資源利用促進税」という名目で徴収されています。
循環資源利用促進税の目的
- 産業廃棄物の排出抑制
- 循環資源の継続的な利用
- その他産業廃棄物の適正な処理
産廃税の仕組み
産廃税は産業廃棄物の排出抑制効果を高めるために、排出事業者を対象に最終処分場や中間処理施設に搬入するタイミングで課税されます。
また、中間処理施設への課税は焼却施設への搬入のみを課税対象としています。理由としては、簡素な税制をとることで幅広くリサイクルへ誘導することが目的となっているためです。
産廃税を納める人
産廃税は、特定の条件を満たす廃棄物処理を委託した排出事業者、または処分を実際に行った事業者に対して課税されます。
事業者に課税される主なケース
- 排出事業者又は中間処理業者・焼却処理業者に産業廃棄物の焼却処理を委託した場合
- 最終処分業者に産業廃棄物の最終処分を委託した場合
- 自社の産業廃棄物を自社焼却施設や最終処分場で処分した場合
また、次の要件に当てはまる場合は特別徴収義務者・申告納税者としての役割を担います。
特別徴収義務者
- 要件:排出事業者などから委託を受けて産業廃棄物の埋立処分を行う者
- 役割:納税義務者から循環資源利用促進税を徴収し、徴収した税について期限までに申告して納入する。
申告納税者
- 要件:排出事業者が自ら排出した産業廃棄物を自ら設置した最終処分場で自ら埋立処分を行う者
- 役割:負担すべき循環資源利用促進税について、自ら期限までに申告して納税する。
産廃税の使い道
税収は、循環型社会の実現のための様々な施策に充てる形で使われます。
産廃税の主な使い道(北海道の場合)
- 産業廃棄物の排出抑制
- リサイクルの促進
- 循環資源利用促進設備整備費補助事業
- リサイクル産業創出事業
- 食のリサイクルトップランナー育成事業
- リサイクル技術研究開発補助事業
- リサイクルアドバイザー派遣事業
産廃税の納税時期
焼却処理業者や最終処分業者に委託した場合は、委託先の焼却処理業者又は最終処分業者が排出事業者又は中間処理業者から税を受け取り、その額をまとめて申告納入します。 また、自社処分した場合はその事業者が次の期間までに直接申告納付します。
産廃税の納税時期
- 1月1日~3月31日分:4月末日
- 4月1日~6月30日分:7月末日
- 7月1日~9月30日分: 10月末日
- 10月1日~12月31日分:1月末日
産廃税の課税方式
産廃税の課税は、各自治体によって差があるため必ず事前確認が必要です。ここでは産廃税の課税方式に加えて、導入している自治体まで詳しく解説します。
排出事業者申告納付方式
排出事業者申告納付方式は、排出事業者が自ら納付する税額を申告して、各自治体に納付します。
排出事業者申告納付方式の概要
- 課税発生地点:中間処理施設、最終処分場への産業廃棄物の搬入
- 納税義務者:排出事業者
- 導入自治体:三重県、滋賀県
最終処分業者特別徴収方式
最終処分業者特別徴収方式は、特別徴収義務者が納付した税を取りまとめて各自治体に申告納付します。
最終処分業者特別徴収方式の概要
- 課税発生地点:最終処分場への産業廃棄物の搬入
- 納税義務者:排出事業者
- 導入自治体:岡山県、広島県、鳥取県、青森県、岩手県、秋田県、奈良県、山口県、新潟県、京都府、宮城県、島根県、熊本県、福島県、愛知県、沖縄県、北海道、山形県、愛媛県
最終処分業者申告納付方式
最終処分業者申告納付方式では、排出事業者や中間処理業者は一旦特別徴収義務者に税金を納めます。
最終処分業者申告納付方式の概要
- 課税発生地点:最終処分場での産業廃棄物の埋立
- 納税義務者:最終処分業者
- 導入している自治体:福岡県北九州市
焼却処理・最終処分業者特別徴収方式
焼却処理・最終処分業者特別徴収方式は、特別徴収義務者が税をまとめて各自治体に申告納付します。
焼却処理・最終処分業者特別徴収方式の概要
- 課税発生地点:焼却処理施設および最終処分場への産業廃棄物の搬入
- 納税義務者:排出事業者
- 導入自治体:福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、鹿児島県、宮崎県
産廃税が非課税になる場合
産廃税は、状況によって非課税となる場合があります。
納税義務者とならない主な要件
- 処理目的が「リサイクル」
- 処理目的が「廃棄物の有効活用」
- 再生処理施設に運ばれる産業廃棄物
また、産業廃棄物税に消費税は課税されません。ただし、特別徴収義務者が産業廃棄物税額を請求書や領収書等で明らかにする必要があります。預り金又は立替金等の科目で処理料金と明確に区分して経理で管理するようにしましょう。
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産廃税は、循環型社会の変革のために課税されている税金です。税収は循環型社会作成のための施策に充てられるため、廃棄物処理に課題を抱えている現代においては無くてはならない税金といえるでしょう。
産業廃棄物を排出する場合は、正しく納税をすることはもちろん産業廃棄物の排出量の抑制を目的とした課税の仕組みもよく理解しておきましょう。
北海サンド工業は、北海道で最初に鉱さいの中間処理の許可を取っており、通常は埋め立てになってしまうような燃え殻・ばいじん・鉱さい・汚泥などの産業廃棄物を適切に処理します。
産業廃棄物保管の知識や技術も豊富で、産廃物処理における安心感を多くの排出事業者様に評価されています。リサイクルなどでお困りなら、北海サンド工業にぜひご相談ください。